兄弟の配偶者の親が亡くなった場合の対応として、多くの方が悩むのが香典や家族葬での振る舞いではないでしょうか。「兄弟の配偶者の親は?」と言われても、具体的な関係性をすぐに説明するのは難しいものです。
兄弟の配偶者の親は何親等にあたるのか、兄弟の配偶者の親の葬儀参列は必要なのか、例えば姉の旦那の親が亡くなった時の忌引き日数はどうなるのか、といった疑問が浮かびます。特に最近増えている家族葬の案内を受けた場合、家族葬の参列者は3親等以内の親族までなのか、兄弟の配偶者の親の香典、家族葬での対応はどうすべきか迷うことが多いです。
この記事では、兄弟の配偶者の親へ送る香典と家族葬の疑問について、家族葬で親族が香典を包む場合の相場や、兄弟の配偶者への香典の相場はいくらかを解説します。また、兄弟の配偶者の親へ香典として2万円は失礼にあたらないか、配偶者の兄弟の配偶者の親への香典はどうするべきか、兄弟の配偶者の親へ香典を出す際の名前の書き方、兄弟の配偶者の親が香典を遠方から送る時のマナーまで、幅広く取り上げます。
最後に、兄弟の配偶者の親の香典と家族葬のまとめとして、重要なポイントを整理します。
- 兄弟の配偶者の親との関係性や親等
- 家族葬に参列すべきかの判断基準
- 関係性や年齢に応じた香典の相場
- 香典袋の書き方や郵送時のマナー
兄弟の配偶者の親の香典、家族葬での対応は?
- 「兄弟の配偶者の親は?」関係性を解説
- 兄弟の配偶者の親は何親等にあたるか
- 兄弟の配偶者の親が亡くなった場合の対応
- 兄弟の配偶者の親の葬儀参列は必要?
- 姉の旦那の親が亡くなった時の忌引き日数
- 家族葬の参列者は3親等以内の親族まで?
「兄弟の配偶者の親は?」関係性を解説
「兄弟の配偶者の親」とは、具体的にはご自身の兄弟(兄、弟、姉、妹)と結婚した相手(義理の兄弟姉妹)のご両親を指します。例えば、兄のお嫁さん(義姉)のご両親や、妹の旦那さん(義弟)のご両親がこれにあたります。
結婚式などでお会いしたことはあっても、日頃から頻繁に交流があるケースは少ないかもしれません。しかし、法律上は「姻族(いんぞく)」という親戚関係にあたります。自分から見ると、直接的な血のつながり(血族)はありませんが、兄弟の結婚によって新たにつながった親戚です。
このように言うと、少し距離を感じるかもしれませんが、ご自身の兄弟にとっては大切な義理の両親です。このため、訃報に接した際には、どのようにお悔やみの意を示せばよいか迷う方が多い関係性と言えます。
兄弟の配偶者の親は何親等にあたるか
結論から言うと、兄弟の配偶者の親は、ご自身から見ると「3親等の姻族」にあたります。「姻族」とは、婚姻によって生じた親族関係(配偶者の血族など)を指します。
親等の数え方は少し複雑ですが、ご自身と兄弟姉妹は「2親等の血族」です。その兄弟の配偶者(義理の兄弟姉妹)は「2親等の姻族」となり、さらにその親は「3親等の姻族」と数えられます。
親等の数え方(参考)
- 自分と親:1親等の血族
- 自分と兄弟姉妹:2親等の血族
- 自分と祖父母:2親等の血族
- 自分と配偶者:親等なし(0親等)
- 自分と配偶者の親(義両親):1親等の姻族
- 自分と配偶者の兄弟姉妹:2親等の姻族
- 自分と兄弟の配偶者:2親等の姻族
- 自分と兄弟の配偶者の親:3親等の姻族
この「3親等の姻族」という関係性は、後述する忌引き休暇の取得や、葬儀への参列・香典の金額を判断する上での一つの目安となります。
兄弟の配偶者の親が亡くなった場合の対応
兄弟の配偶者の親が亡くなったという知らせを受けたら、まずはご自身の兄弟(または姉妹)へお悔やみの言葉を伝えることが最も大切です。兄弟本人も、配偶者を支えるために大変な状況にあると推察されます。
その上で、葬儀の形式(一般葬か家族葬か)や、日時・場所を確認しましょう。特に家族葬の場合は、香典や供花、弔問を辞退されているケースも少なくありません。
遺族の意向を必ず確認する
家族葬では、遺族の「静かに見送りたい」という意向が最優先されます。参列や香典を辞退されている可能性もあるため、勝手に判断せず、必ず確認するようにしてください。もし直接兄弟に聞きにくい状況であれば、ご自身の両親や他の兄弟姉妹を通じて情報を得るのも一つの方法です。
兄弟の配偶者の親の葬儀参列は必要?
葬儀への参列は、故人や遺族(兄弟夫婦)との関係性の深さ、お住まいの地域の慣習、そしてご自身の状況によって判断が異なります。
参列を検討するケース
故人と生前に親しく交流があった場合や、兄弟夫婦と日頃から非常に近い関係である場合は、参列を検討するのが一般的です。また、ご自身の両親が参列する場合、それに合わせて参列を求められることもあります。
参列を見送るケース
一方で、家族葬で「ご参列は近親者のみで」と明確に案内されている場合や、香典・供花を含めて一切を辞退されている場合は、遺族の意向を尊重し、参列を控えるのがマナーです。遺族に余計な気を遣わせない配慮も大切です。
また、お住まいが遠方である場合や、仕事の都合がどうしてもつかない場合も、無理に参列する必要はありません。その際は、後述するように香典や弔電を送ることで弔意を示す方法があります。最終的には、兄弟夫婦に負担をかけない形を選ぶことが重要です。
姉の旦那の親が亡くなった時の忌引き日数
例えば、姉の旦那さんの親(つまり兄弟の配偶者の親)が亡くなった場合、ご自身の会社で忌引き休暇(慶弔休暇)が取得できるかどうかは、会社の就業規則によります。前述の通り、この関係性は「3親等の姻族」にあたります。
忌引き休暇の一般的な傾向として、休暇の対象を「配偶者、子、親(1親等)」や「兄弟、祖父母(2親等)」までと定めている会社も多くあります。その場合、3親等の姻族は対象外となる可能性も低くありません。
一方で、企業によっては「3親等の姻族」に対しても、1日程度の休暇を認めている場合もあります。まずはご自身の勤務先の就業規則(慶弔休暇規程)を確認するか、人事担当者に問い合わせてみることが必要です。
もし忌引き休暇が取得できない場合でも、葬儀に参列するのであれば、有給休暇の利用を検討することになります。
家族葬の参列者は3親等以内の親族まで?
家族葬において、「参列者は3親等以内まで」という厳密な法律やルールは一切ありません。家族葬は、故人や遺族の意向に基づき、親しい方々だけで故人を見送る比較的小規模な葬儀形式を指します。
そのため、故人と非常に親しかった友人を呼ぶこともあれば、逆に3親等の親族であっても、生前の交流が少なかった場合は参列をご遠慮いただくケースもあります。
「家族葬」と聞くと、どこまでの範囲が参列するのか迷ってしまいますよね。大切なのは「親等」ではなく、遺族が「誰に来てほしいか」です。
「兄弟の配偶者の親(3親等の姻族)」の葬儀が家族葬で営まれる場合、ご自身が参列の対象に含まれるかどうかは、ひとえに遺族(兄弟夫婦やその親族)の意向次第です。案内状に「ご参列はご遠慮ください」といった記載があればそれに従い、不明な場合は兄弟に確認するのが最も確実です。
兄弟の配偶者の親へ送る香典と家族葬の疑問
- 家族葬で親族が香典を包む場合の相場は?
- 兄弟の配偶者への香典、相場はいくら?
- 兄弟の配偶者の親へ香典、2万円は失礼?
- 配偶者の兄弟の配偶者の親への香典は?
- 兄弟の配偶者の親へ香典、名前の書き方
- 兄弟の配偶者の親が香典を遠方から送る時
- 兄弟の配偶者の親の香典と家族葬のまとめ
家族葬で親族が香典を包む場合の相場は?
家族葬であっても、遺族から香典辞退の明確な連絡がない限りは、香典を準備するのが一般的なマナーです。親族が包む香典の相場は、故人との関係性によって大きく変わります。
「家族葬だから少なくてよい」というわけではなく、一般葬の香典相場に準じて考えるのが基本です。
一般的な親族の香典相場(目安)
- 両親:5万円~10万円
- 兄弟姉妹:3万円~5万円
- 祖父母:1万円~5万円
- おじ・おば:1万円~3万円
※上記はあくまで目安です。ご自身の年齢や地域性、これまでの親戚付き合いの慣習によって金額は変動します。
兄弟の配偶者への香典、相場はいくら?
ここで言う「兄弟の配偶者への香典」とは、「兄弟の配偶者の親」が亡くなった際に包む香典を指します。この場合の香典相場は、1万円から3万円程度が一つの目安とされています。
ただし、この金額もご自身の年齢や故人との関係性によって変動します。
| ご自身の年齢 | 香典の相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 20代 | 5,000円~1万円 | 故人と面識がない、または学生の場合は5,000円。社会人で交流があった場合は1万円程度を検討します。 |
| 30代 | 1万円~2万円 | 1万円が基本となることが多いです。兄弟夫婦との関係性や、故人と親しくしていた場合は2万円も選択肢に入ります。 |
| 40代以上 | 1万円~3万円 | 社会的立場も考慮し、最低1万円は包むのが一般的です。生前に親しくしていた場合は3万円程度を包むこともあります。 |
もし、故人と生前に非常に親しくしていた、あるいは兄弟夫婦に日頃から大変お世話になっているといった事情があれば、相場より多めの金額(例:3万円や5万円)を包むこともあります。逆に、兄弟と疎遠である場合は、1万円程度とすることもあるようです。
最も大切なのは、ご自身の両親や他の兄弟姉妹と金額を相談し、足並みを揃えることです。自分だけ金額が大きく異なると、かえって遺族に気を遣わせてしまう可能性があるためです。
兄弟の配偶者の親へ香典、2万円は失礼?
香典の金額において、「2」という数字は「割り切れる」ため、一般的に偶数は「故人との縁が切れる」ことを連想させるとして避ける傾向があります。同様に4(死)や9(苦)を連想させる金額もマナー違反とされます。
しかし、近年では「2万円」も許容されるケースが増えています。特に、1万円では少なく感じるが3万円では多すぎると感じる場合に選ばれることがあります。
「2万円」を包む場合の配慮
もし「2万円」という金額に抵抗がある場合は、1万円札1枚と5千円札2枚の合計3枚(奇数枚)にして、お札の枚数を奇数にするという方法もあります。この配慮をすれば、2万円でも失礼にはあたらないとされています。
4万円や9万円といった金額は、今でも避けるべき数字ですので注意してください。
配偶者の兄弟の配偶者の親への香典は?
「配偶者(妻または夫)の兄弟の配偶者の親」が亡くなった場合、これはご自身から見るとさらに遠い関係性(姻族の姻族)となります。この場合、香典を出すかどうかは、ご夫婦での判断になります。
判断基準としては、ご自身の配偶者(妻または夫)が、その兄弟(義理の兄弟姉妹)とどの程度親しいか、また、配偶者の実家(義両親)がどのように対応するかがポイントです。
一般的には、ご自身の配偶者の実家(義両親)が代表して香典を出すのであれば、ご夫婦としては特に何もしない(義両親に任せる)ケースが多いようです。もし、配偶者の兄弟と家族ぐるみでの付き合いがあるなど、特別な事情があれば、5,000円から1万円程度を包むことも考えられますが、まずは配偶者や義両親とよく相談することが賢明です。
兄弟の配偶者の親へ香典、名前の書き方
香典袋の表書き(名前)は、世帯主の氏名(フルネーム)を書くのが基本です。ご自身が結婚されている場合は、ご夫婦の連名(例:山田 太郎・花子)にはせず、夫(世帯主)の名前のみを水引の下の中央に書きます。
表書き(上段)の注意点
香典袋の上段に書く言葉(御霊前、御仏前など)は、宗教・宗派によって異なります。もし宗派が分からない場合は、多くの宗派で使える「御霊前(ごれいぜん)」を使用するのが一般的です。
ただし、浄土真宗の場合は「亡くなったらすぐに仏になる(即身成仏)」という教えから「御霊前」を使わず「御仏前(ごぶつぜん)」となります。もし宗派が不明で不安な場合は「御香典(ごこうでん)」と書くのもよいでしょう。
中袋(中包み)の書き方
香典袋の中に入れる中袋(または中包み)の表面には、包んだ金額を旧漢字(大字)で縦書きするのが正式なマナーです。(例:壱萬圓、参萬圓)
裏面には、ご自身の郵便番号、住所、氏名を忘れずに記入してください。これは遺族が香典返し(返礼品)を準備する際に必要な情報となりますので、正確に記載しましょう。
兄弟の配偶者の親が香典を遠方から送る時
遠方にお住まいであったり、仕事の都合などで葬儀に参列できない場合は、香典を郵送することで弔意を伝えることができます。
香典は必ず「現金書留」で郵送する
香典を郵送する際は、必ず郵便局の「現金書留」を利用してください。普通郵便や宅配便などで現金を送ることは、郵便法で禁じられています。
現金書留の専用封筒には、不祝儀袋に入れた香典と、お悔やみの言葉と参列できないお詫びを記した短い手紙(お悔やみ状)を同封するのが最も丁寧なマナーです。
宛先は、葬儀の日程に間に合うようであれば「葬儀会場 気付 喪主様宛」に、葬儀が終わってから送る場合は「喪主様のご自宅宛」に送ります。タイミングが不明な場合は、葬儀後にご自宅へ送る方が確実でしょう。
兄弟の配偶者の親の香典と家族葬のまとめ
兄弟の配偶者の親が亡くなった際の対応、特に家族葬や香典に関する要点を以下にまとめます。
- 兄弟の配偶者の親は「3親等の姻族」にあたる
- 訃報を受けたらまずご自身の兄弟にお悔やみの言葉を伝える
- 家族葬の場合は参列や香典辞退の有無など遺族の意向を最優先する
- 遺族から香典辞退の連絡があれば無理に渡さないのがマナー
- 参列の判断は故人や兄弟夫婦との関係性の深さによる
- 忌引き休暇の有無は勤務先の就業規則(3親等姻族の扱い)を確認する
- 家族葬の参列者に「3親等以内」という厳密なルールはない
- 家族葬でも香典辞退の連絡がなければ香典は準備する
- 香典の相場は「家族葬だから」ではなく一般葬に準じて考える
- 兄弟の配偶者の親への香典相場は1万円から3万円程度が目安
- 金額はご自身の年齢や生前の親しさで調整する
- 金額に迷ったらご自身の両親や他の兄弟姉妹と相談し足並みを揃える
- 2万円は近年許容されつつあるが1万円札と5千円札2枚で奇数枚にする配慮も
- 香典袋の名前は連名にせず世帯主の氏名のみを記載する
- 遠方から送る場合は必ず「現金書留」を利用しお悔やみ状を同封する


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