家族葬で供花なしは失礼?辞退の理由とマナーを解説

マナー

家族葬の案内を受けた際、家族葬に供花はいらないですか?と悩む方は少なくありません。家族葬で供花なしが選ばれる理由には、会場の規模やご遺族の意向が関係しています。家族葬に花を送らないのはなぜですか?という疑問や、家族葬で供花を断っても失礼ですか?といった不安もあるでしょう。

また、家族葬と言われたら花を贈るべきですか?と迷う場面や、家族葬の供花と香典の関連性について知りたい方もいるかと思います。この記事では、家族葬で供花なしの場合の関係者別対応について、家族葬の供花(親族)の考え方や家族葬の供花(親族)の相場、家族葬の供花(子供)の場合はどうするか、さらに家族葬の供花(友人)としての判断や家族葬の供花(会社)の対応、そして家族葬で供花辞退の場合の会社への連絡方法まで詳しく解説します。

家族葬の供花と喪主の意向を踏まえた上で、家族葬で供花なしの判断まとめとして、適切な対応を一緒に確認していきましょう。

この記事で分かること

  • 家族葬で供花を「なし」とする理由
  • 供花を辞退された場合の適切な対応
  • 親族や会社など関係性別の供花マナー
  • 供花を贈る場合・辞退する場合の注意点

この記事のポイント

  • 家族葬で供花なしが選ばれる理由
  • 家族葬で供花なしの場合の関係者別対応

家族葬で供花なしが選ばれる理由

近年増えている家族葬では、供花や香典を辞退するケースが一般的になりつつあります。なぜ供花を「なし」とする選択が増えているのか、その背景にある理由や、贈る側・喪主側双方の疑問について解説します。

家族葬に供花はいらないですか?

結論から言いますと、ご遺族(喪主)が辞退の意向を示している場合は、供花は不要です。

家族葬は、故人とごく親しい方々でゆっくりとお別れをするための葬儀形式です。そのため、参列者への対応や返礼品の準備といったご遺族の負担を軽減したいという想いから、供花や香典を辞退されることが多くあります。

逆に、辞退の案内が特にない場合は、供花を贈ること自体はマナー違反ではありません。ただし、家族葬の場合は会場のスペースも考慮し、念のため葬儀社に確認するのが最も確実な方法です。

家族葬に花を送らないのはなぜですか?

ご遺族が供花を辞退する、つまり「花を送らないでほしい」と考える主な理由には、以下のような点が挙げられます。

ご遺族が供花を辞退する主な理由

  • 会場のスペースの問題: 家族葬は比較的小さな式場や自宅で行われることが多く、たくさんの供花を飾るスペースが物理的にない場合があります。
  • 返礼の負担軽減: 供花をいただくと、喪主は後日お礼状やお返し(返礼品)を手配する必要があります。こうした精神的・金銭的な負担を軽減したいという意図があります。
  • 故人や喪主の意向: 故人が生前に「質素に見送ってほしい」「周りに気を遣わせたくない」と希望していた場合や、喪主が同様の考えを持っている場合があります。

これらの理由から、弔意を示したいという周囲の気持ちは受け取りつつも、供花という「形」については辞退を選択するのです。

家族葬で供花を断っても失礼ですか?

喪主の立場で「供花を断ることは失礼にあたるのではないか」と心配される方もいますが、決して失礼にはあたりません

大切なのは、弔意を示そうとしてくださる方々へ、その気持ちへの感謝を伝えつつ、辞退の意向を明確に伝えることです。

辞退の意向を伝える方法

訃報の連絡や葬儀の案内状を送る際に、「誠に勝手ながら、故人の遺志により、ご香典ご供花の儀は固くご辞退申し上げます」といった一文を明記するのが一般的です。口頭で伝える場合も、同様の旨を丁寧にお伝えしましょう。

事前に明確に伝えておくことで、贈る側も「贈るべきか」と悩まずに済み、お互いの負担を減らすことにつながります。

家族葬と言われたら花を贈るべきですか?

贈る側として「家族葬」と知らされた場合、まず確認すべきは「供花辞退の意向があるか」です。

前述の通り、案内状や連絡の中に「供花辞退」の記載があれば、贈るのは控えるのがマナーです。記載が何もない場合でも、家族葬の特性を考えると、すぐに手配するのではなく、一度葬儀を担当する葬儀社に問い合わせるのが賢明です。

葬儀社に「〇〇家の葬儀について、供花の受付はされていますか?」と確認すれば、ご遺族の意向をスムーズに知ることができます。ご遺族に直接尋ねるのは、多忙な中でかえって負担をかけてしまう可能性があるため、避けた方がよいでしょう。

家族葬の供花と香典の関連性

供花と香典は、セットで辞退されるケースが最も多いです。

「ご香典ご供花の儀は固くご辞退申し上げます」と案内があった場合は、その両方を贈るべきではありません。

まれに「香典は辞退するが供花は受け付ける」またはその逆のケースもありますが、基本的には「参列者の負担を減らしたい」という意向は共通しています。案内状の文面をよく確認し、ご遺族の意向に従うことが最も重要です。

もし供花を贈り、香典を辞退されている場合は、香典を持参する必要はありません。

家族葬で供花なしの場合の関係者別対応

家族葬での供花の扱いは、故人との関係性によっても判断が分かれるところです。ここでは、親族、子供、友人、会社といった立場別に、どのように対応すべきかを具体的に解説します。

家族葬の供花(親族)の考え方

親族の場合、他の参列者とは異なり、ご遺族側(喪家)に近い立場となります。そのため、対応は少し異なります。

一般の参列者向けには「供花辞退」と案内していても、親族間では別途「親族一同」や「〇〇家一同」として供花を出すケースはよくあります。これは、祭壇周りを華やかにし、故人を手厚く送りたいという親族間の取り決めや慣習によるものです。

ただし、これも絶対ではありません。喪主が「本当に近親者のみで質素に」と考えている場合は、親族からの供花も辞退することがあります。判断に迷う場合は、喪主や他の親族と事前に相談するのがよいでしょう。

家族葬の供花(親族)の相場

親族が供花を贈る場合、その費用相場は一基あたり1万円から3万円程度が一般的です。

供花は「一基(いっき)」という単位で数え、祭壇の両側に一対(いっつい・二基)で飾るのが伝統的でしたが、近年は会場のスペースや費用の観点から、一基のみを贈るケースも増えています。

(参考)関係性別の相場目安

贈る立場費用相場(一基)備考
両親・兄弟姉妹1万5千円~3万円故人と非常に近い関係
その他の親族1万円~2万円「親戚一同」としてまとめる場合も多い
友人・知人7千円~1万5千円連名で出すことも可能
会社関係1万円~2万円会社名義や部署一同など

※これらの金額はあくまで目安です。地域の慣習や葬儀社のプランによって変動します。

家族葬の供花(子供)の場合は

故人の子供(喪主の兄弟姉妹にあたる場合など)が供花を出す際は、「子供一同」や「〇〇家(子供の名前)一同」として、連名で一基または一対を出すのが一般的です。

喪主が供花を準備する費用を負担する場合、他の子供たちはその費用を分担する形で対応することもあります。子供たちは喪家の一員として葬儀を支える立場でもあるため、外部の参列者とは異なり、家族間でどのように弔意を示すか(供花を出すか、費用を分担するか)を事前に話し合っておくことが大切です。

家族葬の供花(友人)としての判断

故人の友人や知人の立場で家族葬の連絡を受けた場合、まずは葬儀に招待されているかどうかが最初の判断基準となります。

招待されていない場合

家族葬は、ご遺族が参列者を限定しているケースがほとんどです。そのため、葬儀の案内(日時や場所)を具体的に受けていない場合は、参列や供花の申し出は控えるのがマナーです。ご遺族の「静かに見送りたい」という意向を尊重しましょう。

もし葬儀に招待された場合でも、供花については「辞退」の意向がないかを必ず確認します。辞退の意向が示されていれば、供花は贈りません。意向が不明な場合は、葬儀社に確認しましょう。複数人の友人と連名で「友人一同」として贈る方法もあります。

家族葬の供花(会社)の対応

会社関係者(故人の勤務先、取引先など)の場合も、基本はご遺族の意向に従います。

供花辞退の連絡がなければ、会社として供花を贈ることは可能です。その際の名義(札名)は、以下のような形式が一般的です。

  • 会社名義: 「〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇」
  • 部署名義: 「〇〇株式会社 営業部一同」
  • 有志一同: 「〇〇株式会社 有志一同」

家族葬の規模を考慮し、大きすぎる供花にならないよう、葬儀社に相談して手配するのがよいでしょう。

家族葬で供花辞退(会社)の連絡

喪主の立場として、故人の勤務先や関係する会社へ訃報を連絡する際は、供花を辞退する旨を明確に伝えることが重要です。

会社側は「失礼があってはいけない」という意識から、供花や弔電の手配を迷うことが多いためです。「家族葬にて執り行うため、誠に勝手ながら、ご弔問ならびに御香典、御供花はご辞退申し上げます」と明確に伝えることで、相手側の混乱を防ぐことができます。

家族葬の供花と喪主の意向

供花は参列者が贈るもの、というイメージがありますが、喪主自身や喪家が「〇〇家」として供花を準備するケースもあります。

これは、祭壇の飾り付けとして、また故人への感謝を示すために行われるものです。特に、参列者からの供花をすべて辞退した場合、祭壇周りが寂しくならないようにとの配慮から、喪主が自ら供花を用意することは珍しくありません。

このように、供花に関する最終的な判断は、すべて喪主の意向によって決まります。贈る側は、その意向を最大限に尊重することが求められます。

家族葬で供花なしの判断まとめ

家族葬において供花を「なし」とする判断は、ご遺族の負担軽減や故人の意向、会場の都合など、様々な理由に基づいています。

贈る側としては、まず「供花辞退」の意向がないかを確認することが最優先です。案内状に記載がないか、葬儀社に確認するのが確実です。辞退の意向が示されているにもかかわらず贈ってしまうと、かえってご遺族に迷惑をかけてしまう可能性があります。

親族や子供一同など、喪家側に近い立場の場合は、事前に家族間で相談して対応を決めましょう。いずれにしても、故人を偲び、ご遺族に寄り添う気持ちが最も大切です。

まとめ

家族葬における供花の扱いは、従来の一般葬とは異なる点が多く、戸惑う方も少なくありません。最も重要な原則は、ご遺族(喪主)の意向を最優先することです。「供花辞退」の連絡があった場合は、弔意を示したい気持ちはあっても、供花を贈るのは控えるのがマナーです。これは、会場のスペースの問題や、返礼の負担をかけさせたくないというご遺族の配慮によるものです。

もし供花辞退の案内がなく、贈るべきか迷った場合は、ご遺族に直接尋ねるのではなく、葬儀を担当する葬儀社に確認するのが最もスムーズです。親族や会社、友人といった立場によっても細かな対応は異なりますが、いずれの場合もご遺族の負担にならないよう配慮することが、故人を偲ぶ心遣いにつながります。

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