家族葬で嫁の親は呼ぶ?呼ばない?判断基準とマナー解説

親族

家族葬が増える中で、「家族葬で嫁の親を呼ぶべきか」という問題は、多くの方が悩む点です。家族葬と嫁の親に関するマナーや対応は、今後の関係性にも影響しかねないため、慎重に判断する必要があります。

例えば、家族葬に義理の親は呼ぶべきですか?という疑問や、そもそも家族葬に行ってはいけない人はいるのか、といった基本的な判断基準が曖昧なことも少なくありません。また、家族葬で義両親を呼ばない時の断り方や、家族葬の義両親への報告タイミングを間違えると、トラブルの原因にもなります。

さらに、旦那の親が亡くなった時、自分の親はどうすべきか、逆に息子の嫁の親が亡くなった時の対応はどうするかなど、立場によって悩みは異なります。家族葬で嫁の親や配偶者の親の香典金額はいくらが適切か、嫁の親が亡くなった時のお手伝いやかける言葉、あるいは嫁の親の葬儀に出ない場合の対応方法など、具体的なマナーも知っておきたいところです。

この記事では、これら家族葬と嫁の親の疑問を解決するために、呼ぶかどうかの判断基準から具体的なマナーまで、詳しく解説していきます。

  • 家族葬で嫁の親(義両親)を呼ぶかの判断基準
  • 呼ばないと決めた場合の失礼のない断り方と報告方法
  • 参列する場合や香典に関する具体的なマナー
  • 様々なケース別(自分が嫁の立場、夫の立場など)の対応方法

家族葬で嫁の親を呼ぶかの判断基準

  • 家族葬に義理の親は呼ぶべきですか?
  • 家族葬に行ってはいけない人はいる?
  • 家族葬で義両親を呼ばない時の断り方
  • 家族葬の義両親への報告タイミング

家族葬に義理の親は呼ぶべきですか?

結論から申し上げますと、家族葬に義理の親(嫁の親)を呼ぶかどうかは、喪主や遺族の判断によります。明確な決まりはありませんが、判断に迷う場合は、後々の関係性を考慮して招待する方が無難であると言えます。

判断するための主な基準は、以下の2点です。

1. 葬儀の規模

一口に「家族葬」と言っても、その規模は様々です。故人の配偶者や子どもだけ(10名程度)で行う小規模なものから、親戚も含めて30名程度で行う場合もあります。

例えば、故人の子どもや兄弟姉妹までといったごく内輪で執り行う場合は、義理の親を呼ばないケースも多いです。しかし、故人の甥や姪、いとこなど、ある程度の範囲の親族を呼ぶのであれば、義理の親にも声をかけるのが一般的です。

2. 故人との関係性

故人と義理の親がどれだけ親しかったかも重要な判断材料です。生前に頻繁に交流があったり、同居していたりして関係性が深かった場合は、葬儀の規模に関わらずお呼びするのが自然でしょう。

逆に、遠方に住んでいてほとんど面識がなかった場合などは、呼ばないという判断もあり得ます。ただし、この場合でも配偶者(嫁)本人の意向を必ず確認することが大切です。

「家族葬だから」という理由だけで呼ばないと、後から「なぜ声をかけてくれなかったのか」と不満に思われる可能性もゼロではありません。
特に配偶者(嫁)が「自分の親にも参列してほしい」と希望する場合は、その気持ちを尊重することを強くおすすめします。

家族葬に行ってはいけない人はいる?

家族葬において、「絶対に行ってはいけない人」という明確な定義はありません。しかし、家族葬の基本的な考え方は「遺族が招待した方のみで故人を見送る」というものです。

そのため、遺族から明確な参列の案内(訃報連絡に日時や場所が記載されている)がなかった場合は、参列を控えるのがマナーです。

訃報の連絡を受けた際に、「故人の遺志により、葬儀は近親者のみで執り行います」や「誠に勝手ながら、御香典や御供花、ご参列は辞退申し上げます」といった文言があった場合は、それが遺族の意向です。この場合は、たとえ義理の親であっても参列すべきではありません。

参列辞退の連絡があった場合の注意点

遺族から参列辞退の意向が示されたにも関わらず、良かれと思って葬儀場へ押しかけるのは絶対に避けましょう。遺族は参列者の対応に追われることになり、故人とのお別れの時間を妨げてしまう可能性があります。

家族葬で義両親を呼ばない時の断り方

様々な事情から、家族葬に義両親(嫁の親)を呼ばないという判断をすることもあるでしょう。その場合、伝え方とタイミングに細心の注意を払う必要があります。

最も重要なのは、誠意をもって丁寧にお伝えすることです。角が立たないように、以下の点を押さえておきましょう。

1. 故人や遺族の意向であることを明確に伝える

「私たちが決めた」という形ではなく、「故人の生前からの強い希望により」あるいは「家族で話し合った結果、ごく内輪のみで」といった形で、故人や家族全体の意向であることを伝えます。

2. 参列辞退の旨をはっきりと伝える

曖昧な表現は避け、「誠に勝手ながら、ご参列は辞退させていただきたく存じます」と明確に伝えます。このとき、香典や供花、弔電なども併せて辞退するかどうかも明記するのが親切です。

3. 相手への配慮の言葉を添える

「本来であればご参列いただくべきところ、申し訳ございません」といった、相手を気遣う一言を添えることで、印象が大きく変わります。

断り方の文例(電話の場合)

「〇〇(故人)の遺志を尊重し、葬儀は家族のみで行うことになりました。そのため、誠に申し訳ございませんが、皆様からのご参列や御香典などは、固く辞退させていただきます。何卒ご理解いただけますと幸いです。」

家族葬の義両親への報告タイミング

義両親(嫁の親)を家族葬に招待しない場合、いつ訃報を連絡するかは非常に悩ましい問題です。

一般的には、葬儀が終わってから(おおむね2週間以内)に、死亡通知(事後報告)を送るという方法がとられます。これは、事前に連絡すると「参列すべきか」と相手を迷わせたり、気を遣わせたりすることを避けるためです。

ただし、これは故人と義両親の関係性が比較的浅かった場合の方法です。生前に交流が深かった場合、事後報告ではかえって「水臭い」「なぜ教えてくれなかったのか」と関係が悪化する恐れがあります。

報告タイミングの判断基準

  • 関係性が深い場合:訃報と同時(逝去後すぐ)に連絡し、その際に「故人の遺志で家族葬とするため、ご参列は辞退いただく」旨を丁寧に伝えます。
  • 関係性が浅い・疎遠な場合:葬儀後に「死亡通知はがき」などで事後報告を行います。

どちらのタイミングを選ぶにせよ、配偶者(嫁)本人としっかり相談して決めることが最も重要です。

家族葬と嫁の親に関するマナーと対応

  • 旦那の親が亡くなった時、自分の親は?
  • 息子の嫁の親が亡くなった時の対応
  • 家族葬で嫁の親や配偶者の親の香典金額
  • 嫁の親が亡くなった時のお手伝いとかける言葉
  • 嫁の親の葬儀に出ない場合の対応
  • 家族葬と嫁の親の疑問を解決

旦那の親が亡くなった時、自分の親は?

あなたが「嫁」の立場で、旦那様の親(義両親)が亡くなられた場合、あなた自身の親(実家の親)が参列すべきかどうかも悩みどころです。

これも、喪主側(旦那様のご家族)の意向次第です。あなたのご両親は「姻族」にあたりますが、家族葬の参列範囲に含まれるかどうかは、そのご家庭の考え方や葬儀の規模によります。

まずは、あなたが夫や喪主(義理の兄弟など)に「私の親も参列させた方がよいか」と確認するのが第一歩です。

参列を依頼された場合

喪主側から「ぜひご両親も」と依頼された場合は、スケジュールを調整して参列するのがマナーです。

参列を辞退された・連絡がない場合

「家族だけで行うから」と辞退されたり、特に連絡がなかったりした場合は、参列を控えます。この場合、あなたのご両親は、葬儀に参列しない代わりとして、香典や供花を送ることを検討するでしょう。ただし、喪主側が香典・供花も辞退していないかを必ず確認してください。辞退されている場合は、無理に送るのはかえって迷惑になります。

息子の嫁の親が亡くなった時の対応

今度は視点が変わり、あなたが「親」の立場で、息子の奥様(嫁)の親が亡くなった場合の対応です。つまり、あなたの「姻族」にあたる方のご葬儀です。

この場合、相手方(お嫁さんのご実家)がどのような葬儀を行うかによります。相手方が「家族葬」を選ばれた場合、基本的には相手方の意向を最優先します。

まずは息子さんを通じて、相手方が参列を希望されているか、香典などは受け付けているかを確認してもらいましょう。

相手方が家族葬で参列を辞退された場合

たとえ「姻族」であっても、相手方が「近親者のみで」と希望されている場合は、葬儀への参列は控えるのがマナーです。この場合、後日、息子さん夫婦を通じてお悔やみの気持ちを伝えたり、もし香典を受け付けているようであればお渡ししたりするのがよいでしょう。

もし参列を依頼された場合は、ご自身の配偶者(夫または妻)と連名で香典を用意し、喪服を着用して参列します。

家族葬で嫁の親や配偶者の親の香典金額

家族葬であっても、遺族(喪主)が香典を辞退していない場合は、香典を持参するのがマナーです。金額は、故人との関係性によって変わります。

ここで問題となる「嫁の親」や「配偶者の親」は、立場によって「実の親」にも「義理の親」にもなります。一般的な香典の相場は以下の通りです。

あなたの立場故人との関係香典金額の相場
嫁・夫義理の親50,000円 ~ 100,000円
嫁・夫実の親50,000円 ~ 100,000円
息子の嫁の親30,000円 ~ 50,000円
娘の夫の親30,000円 ~ 50,000円

※上記はあくまで目安です。地域や家同士の慣習によって異なる場合があります。

「義理の親」と「実の親」の金額に差はありません。配偶者の親は、実の親と同様に近しい存在とみなされるため、同額を包むのが一般的です。

なお、あなたが「嫁」の立場で旦那様の親の葬儀に参列する場合、喪主が旦那様(または義理の兄弟)であれば、世帯が同じであるため香典は不要とされることが多いです。ただし、地域や慣習によりますので、旦那様と相談するのが確実です。

最優先事項:香典辞退の確認

繰り返しになりますが、家族葬では香典を辞退されるケースが非常に多いです。案内状に「御香典の儀は固く辞退申し上げます」と記載がある場合は、絶対に香典を持参してはいけません。遺族の意向を尊重することが最も大切です。

嫁の親が亡くなった時のお手伝いとかける言葉

あなたが「夫」の立場で、嫁の親(義両親)が亡くなられた場合、妻を支えるために「何かお手伝いをすべきか」と考えることでしょう。

お手伝いについて

家族葬は規模が小さく、葬儀社がほとんどの準備を行うため、親族が手伝う場面は少なくなっています。また、相手方(お嫁さんのご実家)にも固有のやり方があるかもしれません。

よかれと思って動いたことが、かえってご遺族の負担になることもあります。まずは「何かお手伝いできることはありますか?」と一声かけ、明確な依頼があった場合のみ動くようにしましょう。妻の精神的なサポートに徹することも、重要なお手伝いです。

かける言葉(お悔やみ)

お悔やみの言葉は、短く簡潔に、心を込めて伝えます。以下は一般的に使われる言葉です。

  • 「この度は、誠にご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます。」
  • 「突然のことで、お慰めの言葉もございません。」

「死亡」「急死」といった直接的な表現や、「たびたび」「ますます」などの重ね言葉は使わないように注意しましょう。

嫁の親の葬儀に出ない場合の対応

嫁の親の葬儀が家族葬で行われ、喪主側から参列辞退の連絡があった場合、葬儀には出ないのがマナーです。

しかし、お悔やみの気持ちを伝えたいと思うのは自然なことです。その場合は、以下の方法を検討します。

1. 弔電(ちょうでん)

葬儀に参列できない場合、弔電を送ってお悔やみの気持ちを伝える方法があります。ただし、これも香典と同様に辞退されている場合があります。送る前に、弔電は受け付けているかを喪主に確認するのが賢明です。

2. 香典や供花

香典や供花も、辞退されている可能性が非常に高いです。もし辞退の連絡がない場合でも、送りたい場合は事前に喪主へ確認しましょう。勝手に送付すると、香典返しなどで相手に余計な手間をかけさせてしまいます。

3. 後日の弔問(ちょうもん)

葬儀が落ち着いた後(四十九日法要が終わった後などが一つの目安)、改めてご自宅へお線香をあげに伺う「弔問」という形があります。

これも必ず事前に遺族の都合を確認し、「ご迷惑でなければ、近いうちにお線香をあげさせていただきたいのですが」と打診しましょう。遺族が「まだ心の整理がついていない」という場合は、無理にお願いしてはいけません。

家族葬と嫁の親の疑問を解決

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 家族葬で嫁の親(義両親)を呼ぶかは遺族の判断次第
  • 判断基準は葬儀の規模と故人との関係性が中心
  • 迷った場合は後々の関係性を考えて招待するのが無難
  • 配偶者(嫁・夫)本人の意向を尊重することが最も重要
  • 遺族から参列辞退の連絡があれば参列は控えるのがマナー
  • 呼ばない場合の断り方は故人の遺志であることを丁寧に伝える
  • 香典や供花も辞退する旨を明確に伝えると親切
  • 呼ばない場合の報告は葬儀後に行うのが一般的
  • ただし関係性が深い場合は訃報と同時に断りを入れる
  • 旦那の親が亡くなった時、自分の親が参列するかは喪主(夫側)の意向を確認
  • 息子の嫁の親が亡くなった時も相手方(嫁の実家)の意向に従う
  • 香典金額は実親も義理親も同額(5万~10万)が相場
  • ただし家族葬では香典辞退のケースが非常に多い
  • 香典辞退の意向がある場合は絶対に持参しない
  • お手伝いは出しゃばらず依頼があった場合のみ動く
  • 葬儀に出ない場合は弔電や後日の弔問を検討する(これも遺族の意向を確認)

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